| No.241 |
| 2008.5.25 |
二大自然災害に思う
最近アジアを襲った二つの自然大災害。ミャンマーのサイクロンと中国四川省の大地震である。すでに二次・三次災害が心配される。今回の両国の災害に共通するのはケタ違いの被害の大きさと、外部からの援助を快く受け入れようとしない点だ(中国は日本の救援隊をようやく受け入れたが)。 国民の命より現体制を守ることのほうが優先される。独裁政治を続ける国家に共通する現象だ。体制維持のため、あるいは、間違った使命観(テロなど)遂行のため、人間の命が軽々しく扱われる。悲しい現実である。 目立つ韓国重機の活躍
中国は32年前(1976年)、河北省で起きた唐山地震(地震規模は今回と同じM=7.8)で死者24万人と20世紀最大規模の被害を出している。その後も度々大きな地震に見舞われているが、これらの反省は活かされているのだろうか。
今回の地震では小・中学校がかなりやられたらしいが、崩れた瓦礫の中で重機が大活躍している。TV画面等に映るそのほとんどは、アームにHYUNDAIと記された黄色の建設重機だ。HYUNDAIとは韓国の現代自動車である。かつては日本製か欧米製が活躍したものだが、ここまで韓国が中国に入り込んでいるとは一つのオドロキであった。 温家宝首相のリーダーシップ
重機の活躍ぶりもさることながら、温家宝首相の被災地に入っての活躍ぶりもたいしたものである。ただ世界に向けての中国政府の宣伝っぽいところがいかにも中国らしいが、さすがと思わせるリーダーシップぶりも見せている。
普通の人なら「出来るだけ早く現場に赴いて救助活動をしてほしい」と救援隊に訓示するだろう。しかし温家宝首相は「一秒早ければ一人の命が救える」と訓示している。
実に簡潔にして要を得た訓示であり、説得力がある。さすがである。 これが咄嗟に出た言葉か練りに練って出てきた言葉かは分からぬが、訓示を受ける者にどのように伝えればよいか。心のそこから、よしやろうと思わせる言葉は何か。多分いつも考えているのだろう。トップ・リーダーの言葉の見本として学びたい点である。
幹部に訴える(182)
最近の科学技術の進歩はとどまるところを知らぬ。とくに高齢時代に突入し、脳に関する研究はますます盛んである。そのためか脳学者がTVなどのマスコミでモテモテである。そんな中、4月24日の日経新聞に興味深い記事が載っていたので紹介したい。 自然科学研究機構・生理学研究所の研究グループが「褒められたときの脳の動きをはじめてとらえた」と発表した。一体どんな動きをするのか。部下指導で悩み続ける幹部や経営者にとっては大いに気になるところである。 それによると---褒められた人間の脳は、喜怒哀楽をつかさどる部位よりも食べ物やお金をもらったときに反応する中心部の血流が活発になった。即ち、褒められた脳がそれを「報酬」と受け止めたことを示すものであるという。 この研究は平均年齢21歳の男女19人に対して行った実験である。高精度の画像診断装置の中に横たわった被験者に他人からの褒め言葉を小型表示装置に映して見せると、脳の中心にある「線条体」という部位の動きが活発になり、お金をもらった時の反応部位と一致したという。 これまで褒められると「うれしい」、だから頑張れると単純に考えてきたが、今回の研究でもっと実利的な喜びがあることが分かった。プラスに考えれば、実質の収入は少なくても高給取りになれるということである。 ともすれば、売上・利益は低迷を続け、ボーナスはなく、給料も下がりつつある中小企業。組織は完全にヤル気をなくしている。こうした中で社員のお互いが小さいことでも認め合い、褒め合うことによって低収入をカバーできるとすれば、これほど素晴らしいことはない。 1回の褒め言葉が10万円の収入に相当するかもしれない。但し、傷のなめ合いにならぬよう注意しよう。「褒める」とは事実を認めて褒めることであり、相手の機嫌をとることではない。 さて、この研究、今後どう展開されるかが楽しみだ。欲張りな研究テーマとしては「叱られた場合はどうなるか?」だ。 以上 |