悩ましい問題:携帯電話
<講習会場で>
静まり返った大きな講習会場。今、ぎっしりつまった数100人の聴講生を相手に壇上では著名な講師がしゅくしゅくと講義を進めている。と、突然会場のやや中央あたりから耳をつんざくような大きな音が鳴り出す。何だ?何だ?さきほどまでコックリ、コックリやっていた者も何が起こったか、とうろたえる。が、誰もがケータイだとすぐ理解する。犯人?らしき人物がバツが悪そうに腰をややかがめながらこそこそと会場の外へ出て行く。受講生たちは心の中で思う。「あれだけ講義の前に事務局から『ケータイは電源をお切り頂くかマナーモードにお切り替え下さい』と言われていたのに、バカな奴」と。しかし次の瞬間、己のケータイを慌てて確認する。ヤレヤレ大丈夫だ。その間3〜4分。講師は相変わらず淡々と講義を続けている。最も重要なところだったらしいが、何をしゃべっていたのか聴講生の頭の中には全く入っていない。ほんの小さなざわつきのあと会場はもとの真剣な静けさに戻る。そして再び講師のボソボソとした声だけが流れる・・・・・・。
<会社内で>
外部セミナー等を受講された方ならこんな経験を1度や2度はお持ちだろう。列車の中でも同様のことが起こっている。
では企業の中ではどうだろう。
ある企業(A社)での定例の営業会議。今後の営業方針について社長がしゃべり始めたとたん、軍艦マーチのような勇ましい音楽が突然流れる。誰もがビクッとする(心臓に悪い!)。「チョットシツレイシマス」と言いながら、当の営業マンは会議室を出る。お得意先かららしい。外へ出たのはいいが、ドアの一つ外だ。大声のやりとりが丸聞こえである。メンバーの耳は完全に外へ飛んでいる。社長は話をやめるわけにもいかず少し間をおいてしゃべり始める。ようやく当の本人が帰ってきて着席した―かと思えば、別の営業マンの着メロがまた鳴り出した。今度はその場で口に手をあて小声で話し始めた。メンバーの目と耳は一勢に彼の方向へ。こうして社長の大切な営業方針はむなしく響いて終わる。
B社の朝礼。全員が円陣を組み整列している。気持ちの良い元気なあいさつのあと、さてこれからという時、リーンリーンという甲高い一昔前の電話のベルのような音が響く。本人はケータイを眺め、そそくさとその場から離れる。1日のスタートであるべき朝礼が一度にシラケル!
C社の業務中でのこと。営業マンでもない社員に業務中しきりにケータイがかかってくる(最近はメールが多い)。一体どこからなのか。家族から?友人から?忙しい忙しいと言いながら結構長時間コミュニケーション?している。どんな内容を誰とコミュニケートしているのか。あらぬことをトップは考えてしまう。しかしいちいち追求する事もできないし…。
ある大手スーパーマーケットでのこと。このスーパーはお客様の意見を「ご意見うけたまわりカード」として店内に掲示している。先日こんな内容のクレームが掲示されていた。
○○店長さんへ
売場でのケータイはやめて欲しい。
買い物をする者にとっては大変迷惑です。
これには店長も参ったらしい。「誠に申し訳ありません。業務連絡とはいえ決してやってはならないことだと反省しています・・・云々」と平謝りである。当然のことである。ついついやってしまったのだろう。しかしお客様の目は厳しい。
土足でズカズカと座敷に上がりこんでくるようなケータイ電話。最近は小学生も(安全上から)身に付けているらしいが、マナーもルールも目茶苦茶である。どこかでケジメをつけないと―。親を、そして企業のトップを苦しめる悩ましい問題だ。
最低限のマナーとルールはどうするか。
マナーとは相手に対する「思いやり」であり、ルールとは「規則」だ。少なくとも内規として次のことは決めておいてはどうだろう。
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朝礼や会議時(あるいは社内勉強会時)には司会者がケータイはマナーモードに切り替えるよう必ず指示。それを確認した上で朝礼等に入る(朝礼や会議進行マニュアルにこの項を追加しておく)
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経営者・幹部と営業マン以外の一般社員や店頭販売員は業務中のケータイは禁止する(ロッカーへ収納)。但し昼食休憩時はOKとする
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又は会社から貸与された者のみ業務中のケータイはOKだが、個人的なケータイはロッカーへ収納しておくこと
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個人的ケータイであってもやむを得ぬ事情がある場合は―例えば緊急で家族からの連絡が予想される場合など―上司の了解を得た上で携帯してよい
皆さんの企業ではどのように対応していますか?
以上
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