No.229
2007.5.25
 

改善と維持管理


この7月1日より東海道新幹線は東京―大阪間で5分短縮され、2時間30分で走る。しかし、その僅かな5分短縮のため、数多くの改善がなされている。その主なものを挙げてみると―
@ 加速を早くするための動力の改善
A 空気抵抗をより少なく為の工夫
航空機の技術を応用し、先端部分を従来より1.5m長くした。
B カーブでのスピードの維持
東京―大阪間は急カーブが60ヶ所もあるらしいが、ここを減速せずに270km/Hで突っ走る。そのため空気バネにより車体を一度傾ける。
N700系と称されるこの車両についてJR技術陣は「最新・最速・省エネ」の究極の車軸だと胸を張る。たかが5分、されど5分である。
日本の新幹線技術はより早く、より安全に、そしてより省エネにという面では多分世界一だろう。

新幹線のように技術(スピード・安全・省エネ)はますます改善され高度化していく一方で最近のジェットコースター事故はあきれるばかりである。
ジェットコースターを一度でも利用された方なら「こんなムチャクチャな走り方をして車輪が外れはしないのか?」と不安になったことはあるだろう。大阪・吹田市のエキスポランドにおける死亡事故はこの不安を現実化させてしまった。「よりスリルに、そしてより安全に」であるべきが、スリルだけを追求(して客を呼ぼうと)してしまった。安全面は客には見えない。最高の施設を導入してもそれを維持管理する技術が伴わなければそれは殺人機と化す。

JISで決められた年1回の探傷検査をやっていない遊園地が全国で44%もあるという。更に設置後一度も検査なしが25%もあったというからオドロキだ。その理由は検査が「義務」でなかったから?。エレベーター事故も同根である。結局顧客獲得競争の中で安全<コストの戦略をとってきたツケである。

実は先日、ある中小メーカーでこんなことがあった。最近、現場でのトラブルやクレームが多い。そこでプロジェクトチームがその原因を探っていくと、数年前に改善された筈の作業方法(5項目)が全く守られていないことが判った。現場内に標準化を図ったつもりが徹底されていなかった。当時の責任者も異動で他部署へ移り、新人責任者は全く分っていない。あわてて標準化の再徹底と現場定着の対策をとったが、いかに決めたことを維持管理させていくことが難しいかを知らされた一件であった。
コスト競争が激しい中ではあるが、この一線だけは絶対譲れないという強い意思・哲学のようなものが企業(現場)には必要ではないか。それはトップのみならず幹部の責任でもある。

幹部に訴える(173)
部下指導(79)
〔面接技法―コーチングの実践(36)〕

―面接の機会―

考えてみれば職場の長が面接する機会というのは一つではなくいくつかの場面がある。内部の者と部外者に分けて説明する。

<内部の者に対する面接>
@ 当人(部下)の個人目標達成のための面接
A 当人(部下)の仕事に取り組む姿勢についての面接
B チーム目標達成のための協力依頼についての面接
C 自己申告書をベースとした定期的面接
D 当人からの相談・要望による面接
E 職場の問題解決のための面接
F 新年度に当り意思統一のための面接
G 人事考課の結果についての面接
H 人事異動(他部署への異動)を納得してもらうための面接
I 逆に他部署から異動してきたメンバーに対する面接
J 所謂「指示―報告」の流れの中での面接
K OJTの中での面接

<部外者に対する面接>
@ 採用時の面接
A 取引先(仕入先、設備納入業者、協力業者など)との面接
B 新規先担当者との面接
C クレーム客との面接
その他まだまだあると思う。

こうして挙げれば幹部はあらゆる場面で日常的に面接を繰り返していると言える。その面接をないがしろにするようでは部門の業績は上がらない。たった10分の面接を怠ったがために後になって大変な問題となって自らにふりかかってくることもある。特に内部の者との面接は、今だと思った時、即実行することがコツ。先送りすると必ずといってよいほどあとでホゾ噛む。こういう経験は誰でも持っている筈。幹部の業は面接業と思うべし。

以上

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