No.223
2006.11.25
 

〔「ツメ」が甘くないか〕


そろそろ年末商戦に突入だ。多くの企業はキャンペーンなどを仕掛け、何とか売上増を図りたいと必死だ。
しかしどうだろうか。最近各企業を訪問して感じるのは「つめの甘さ」だ。キャンペーンを決定し、計画をたてるところまでは良い。しかしその後の「つめ」が甘い。特に部門長の無責任さが気になる。自らが率先して実績を上げることは言うまでもないが、
@ 部下の進捗状況がどうなっているか
A どんなことでつまづいているのか
B そのためにどうすればよいか
C 顧客の反応はどうか
D その時の対応はどうしているか
E 果たしてその対応で良いのか
F 今後の見込みは、
G ダメな場合どうする?・・・
つめるべきことは山ほどある。にもかかわらず、「ダメでした」「あっそうか、仕方ないな」で終わっていないか。

昔と違ってどの企業も命をかけて闘っている。少しの油断も出来ない。そんな中で「私は一生懸命頑張りましたが実績は0です」と平然としている社員もいる。またこれを放任しているトップ・幹部。これで実績が上がる筈はない。面倒くさいが、部下の意見を引き出しながら細かく細かくつめていく必要がある。
この厳しい時代にあまりにも甘すぎないか?そんな気がしてならない。

幹部に訴える(168)
部下指導(74)
〔面接技法―コーチングの実践(31)〕

―コーチングは共育―

部下の成長を願う強い思いから、つい感情にまかせて叱責する指導のやり方がまだまだ一般的であるが(家庭におけるしつけも同じ)コーチングのやり方はこれと真っ向から対立するものである。従って上司側には根気がいる。早く解決策を見つけ行動にかりたてたいという短気型のトップや幹部にとっては何ともつらい手法ではある。

コーチングを学んでもついつい昔のやり方が口から出てしまう。これをAタイプとする。
例えば―
「何回教えたら分かるんだ」
「もう何年ウチで仕事をしているんだ!」
「君の言いたい事はこういうことだろう!」
「言い訳はいいから結論は?」
「一体何を考えているんだ!」
「どうしてそんな風に思うんだ!」
「大体が甘いんだよ、君は!」
「もう一度イチからやり直せ!」
「会社を辞めたい?ナゼ辞めたいんだ!」
「一体ヤル気があるのかないのかどっちだ!」

一方で、役職についていながら部下の仕事振りに関心が薄く、何も言わない(言えない)、何も部下に影響を与えないツワ者?もいる。
これも困ったもんだ。この類の幹部は俗に「いい人」と言われている人間だ。世間的には良い人かもしれないが、ビジネスの世界では「どうでもいい人」である。所謂「いい人」と言われている人は表面的な付き合いしかしない。全てをうわべだけで処理し、サラリとかわす人だ。決して悪者にはならない。だからいつも「いい人」。これをBタイプとする。

Bタイプに較べれば、何だかんだとまくしたてるAタイプの方がまだましなのかも知れない。しかし、Aタイプのやり方を何回、何十回と繰り返しても部下は変わらない。むしろどんどんヤル気をなくしていく。

では、中小企業ではどのタイプが多いか。圧倒的にBタイプである。トップはAタイプであっても幹部はもうそのほとんどが情けないほどBタイプと言ってよい。ここにトップの悩みがある。しかし、Bタイプの幹部のための救いの神となるのがコーチングである。むしろBタイプに向いているかも知れない。だから気の弱い、気持ちの優しい幹部は自信を持って良いのだ。コーチングの奥義を体得すれば頼りになる幹部に成長できる。但し「部下の成長を心から願う」という根本精神が前提条件ではあるが―。

コーチングは部下のヤル気を高め、彼を大きく育てるツールではあるが、逆にコーチングを通して上司は部下によって育てられるのである。お互い共育関係にある。
あなた(幹部)を磨き、育てるツール。それがコーチングなのである。

以上

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