No.222
2006.10.25
 

〔三度の飯よりミーティング(2)〕


前月号で、「三度の飯よりミーティング」の事例を紹介したが、おかげさまで早速いくつかの企業が導入し始めており、成果を上げている。ある経営者からは「我社の下期の方針にしたい位だ」という嬉しい声を頂いた。形式ばらないほんの2〜3人のミーティング。ちょっとした時間をみつけては声を掛け合い、課題を解決していく。継続は力なりだ。その僅かな積み重ねが大きなパワーを発揮し出す。
人は他人(上司)から言われるより自らの意志で動く。そのかっこうの場が(小)ミーティングである。そこに一つの仕掛けがあれば更に効果が上がる。

A社では全社の毎月1回の営業会議の他に、毎月6回の部門(小)ミーティング(30分)をやるようにしている。メンバーは3人だ。このときツールを活用している。ツールと言ってもたった1枚のA3の紙だけである。その紙には3人の営業成績の商品郡別の円グラフがカラーで示されている。一枚の用紙を中心に頭を寄せ合って話し合う。@3人の違いはどこにあるか、A売っていない商品はないか、B次の営業活動の課題は何か、C行動に移すにはどうすればよいか、Dセールス話法は?等々。形式ばらない、お互い本音で話し合っている。どうしたわけか○−発言はほとんど出ない。全員○+発言である。

上司からあれやれ、これやれ言われなくともグラフを見る事によってお互い“気付き”がある。問題意識が芽生える。無味乾燥な数字の羅列だけでは何の反応も示さなかった彼らが、自発的に発言し自主的に行動するように変化した。その結果、3人とも9月の目標を達成してしまった。全員が目標達成という快挙は今まで全くなかったことである。
恐るべし!ツールを使ったミーティング!

幹部に訴える(167)
部下指導(73)
〔面接技法―コーチングの実践(30)〕
―ダメはダメです―

上司がメンバーに注意する時、3種類の言葉があると言われる。
@ メンバーに注意したいと(心の中で)思っている言葉
A 実際にメンバーに言っている(言ってしまった)言葉
B メンバーがその時受取った言葉
本来、@、A、Bは一致しなければならないのだが、現実はバラバラである。例えば―。

作業上のミスをしたメンバーに対して
@ 注意したいと思っている言葉―「(ここは厳しく注意しないといけない)仕事の進め方の手順が理解されていない。次の工程(又はお客様)に迷惑をかけるし、仕事の効率も悪くなる。今すぐ改めてもらわないと―」
A 実際にメンバーに言ってしまった言葉―「ダメじゃあないか。こんなミスをして!」
B メンバーがその時受取った言葉―「お前はダメな人間だ。能力的に劣る人間だ。存在価値なし!」と言われた。
注意したり叱る時我々は上記のAに示すように「ダメじゃあないか!」という否定的名言葉を当人に投げつけてしまうことが多々ある。二度と同じ過ちを繰り返して欲しくないと言う強い思いからである。しかし、注意された当人から見れば、全人格を否定されたダメ人間として烙印をおされたような感じになる。注意した方は悪気はないのだが、された方は深刻である。このギャップは大きい。そこに問題が起こる。

ある職場でこんなことがあった。
40代のB子さんが入社してきた。先輩にあたるA子さん(50代)の下で働いていたが、作業の覚えは決してよい方ではない。時々ミスをする。都度A子さんは厳しく指導した。その時の言葉が「B子さん、ダメじゃあないの!」「またやったの?ダメよ」「そんなやり方はダメ!」ダメの連発である。連日のようにダメダメと言われ続けたB子さんは半泣き状態になりながら、とうとうA子さんに手をあげてしまった。職場の中は騒然となった。
B子さんによると、家に帰れば嫁姑の関係の中で、姑から連日のようにダメダメと言われ続け、職場に来れば先輩からまた同じことを言われ、とうとうキレてしまったようだ。
「それは間違っている」「悪い!」「ダメ!」と決め付けることは先輩、上役のやってはならないことだ。むしろ指導が不十分であったと指導する側が反省すべきなのである。

注意する(叱る)目的は当人を怒らせることではなく、もっと良くやれるように導いてやるつもりだった筈。
メンバーには一人として同じ人間はいない。
@ もともと常識もあり、判断力もある人間
A 知識・技術が、一定水準にある人間
B 叱られても素直に受け入れることの出来る人間
C 社会人としての基本素養の欠ける人間
D 手のつけられぬ身勝手な人間
E もの覚えはどちらかというと遅い人間。
一人一人は違う人間だから、各人にあった指導のやり方を!とは一般には言われるが、そんな器用なことは現実的には不可能ではないか?(いや、できる人もいるが)
そこで最低限、指導者が守るべき基本原則は、少なくとも普段から
「仕事振りがよいかどうか当人にいってやること」である。これ一つでよい。すると
「おー、ずい分上達したね。」「いやー、よくやってくれるね」「こうするともっとよくやれるよ」
こんな言葉が自然に出るようになる。もしA子さんがこの基本原則を身につけていたら、覚えのよくないB子さんでも一人前の作業員として活き活き働けたに違いない。 以上

以上

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