No.218
2006.6.25
 

〔シンドラー〕

シンドラー。なにやらアラビアンナイトの物語にでも出てきそうな名前だが、スイスに本拠を置く、れっきとした世界最大級のエスカレーター、エレベーターメーカーである。そのシンドラー製のエレベーターの事故が相次いで発生。本社の無責任な対応が更に問題を大きくしている。最近、エレベーターに乗るたびにメーカー名を恐る恐る確かめるようになってしまった。幸いにしてトラブルに巻き込まれたことは無いが、マスコミ情報によると相当数の事故があったらしい。「メーカー」「メーカー系保守会社」「独立系保守会社」各々が価格競争を展開。安全はどっかに吹き飛んでしまっている。保守管理費は安いにこしたことはない。そこで、ビルオーナーは安いほうに走りたくなる。ところが、この保守は素人には見えない。上ってきたチェック表を見るだけである。どの程度実際に徹底してやったかは分からない。要するに見えないわけだ。見えない部分にカネはかけたくない。できるだけ維持コストを下げたい側からすれば、その気持ちも分かる(耐震偽装も根は同じである)。
エレベーター業界では今後事故情報の一元化を図るなどといっているが、本当にどこまで真剣に取り組もうとしているのか。見えない部分にこそ真のCSの価値があるのだが−。

〔空気神社〕

見えないものといえばこの自然界では「空気」がある。毎日いや毎秒、お世話になっている「空気」なくして我々の存在はあり得ない。
日本人は何でも神様にしてしまうところがすごいが、何とこの空気を神様にして「空気神社」をつくってしまったところがある。日本唯一、いや世界唯一だろう。

場所は山形県朝日町。6月5日に「空気祭り」が盛大?に行われた。6月5日といえば世界環境デーである。この日を空気の日と定め、祭りをとり行うなど、中々に(・)くい(・・)ことをやるではないか。
この神社、今から16年前(1990年7月)に建てられたそうである。理念は「空気の恩恵を忘れぬよう空気に感謝する」である。赤い鳥居もなければ高い屋根も無い。全く新しいタイプの神社だ。

大体、御神体が「空気と自然」というから面白い。毎日毎日何の意識もせずに生活している我々凡人にとって、空気のありがたさなど思うことはめったにないが空気がなければ生命体はこの世には存在し得ないことを考えれば、いくら感謝してもしつくせない。空気を英語ではエア(air)というが、我々日本人は単なるエアではすまされない感覚を持っている、空気には気が満ちている。その気のエネルギーを頂いて生命体が存在している。

空気と安全は我々の命を育み守るかけがえのないものである。


 

幹部に訴える(164)
部下指導(70)
〔面接技法―コーチングの実践(27)〕



ストレートに部下を叱ったり、注意したりすることは相手の感情を考えれば勇気がいる。しかしその目的が部下の行動変容にあるとすれば、やり方を工夫すればいくらでも方法はある。ある幹部が最近行ったコーチング的注意の仕方を以下に紹介しよう。

A課長は食品メーカーの品質管理の責任者である。つい先日、現場で製造した製品を試食したところ、本来の香りがしなかった。
「こんなものをとても商品として出荷できない。現場は一体どんな作り方をしているんだ!」と思わずどなりつけたくなった。が、そこはぐっとガマンして製造担当者(Bさん)を呼んで話をすることにした。

A「この製品、香りがほとんどしないのだが−」
B「いや、そんなことはないと思いますが−」
A「P調味料を入れ忘れたということはありませんか?」
B「いえ、それは絶対ありません」(とかなり強硬である)
A「入れ忘れは絶対ない…。じゃあ食べてごらん」
B「確かに香りがしませんネ」
A「どうしたんだろう」
B「おかしいですネ…。P調味料は規定どおりきちんと入れてますし…」
A「そうだね、何か他に思い当たることは?」
B「あっ、撹拌が不足したんだと思います」
A「撹拌不足ですか?」
B「ハイ、今回はリニューアル品で発注量も多く、一度につくったのがよく混ざらなかったのだと思います。」
A「なるほど、撹拌不足ね。じゃあどうすればいい?」
B「ハイ、良く撹拌します」
A「どうやって?」
B「通常やっていたように量を小分けにして撹拌するようにすればいいと思います」
A「そうだね、少し手間はかかるけどその方が良いね」
B「ハイ、そうします」

B本人の作業の責任を追及することなく、本人に誤りを気付かせたやり方はgoodである。
注意の本質は「誤りに気付かせ再発を防ぐこと」である。これを実践したひとつの事例である。A課長は一歩成長したと言えるだろう。

<ご案内>
この6月1日付をもって、当社の組織変更を下記のように行いました。
専務取締役  長井 三郎 → 代表取締役
代表取締役  亀岡 睿一 → 取締役会長
今後ともよろしくお願い申し上げます。

以上

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