No.214
2006.2.25
 

〔あるカメラ店の挑戦〕

猛烈に襲いかかるデジタル化の波の中で、カメラ・DPE業界が生き残ることは至難の技だ。座して死を待つか、生き残りをかけてあえて変化に挑戦するか。メーカーも、問屋も、小売店もギリギリの選択を迫られている。数多くの店のシャッターが次から次へと閉じられていく様(さま)は、先日の河北新報(夕刊)で報じられたとおりである。

しかし、消えゆく商店が多い中で、血みどろになりながらも必死に生き残りを掛けた闘いに挑んでいるカメラ店(仮にA社とする)がある。宮城県北部にあるA社は、3店舗を有する地元の老舗である。年商は3.5億。
経営トップは5〜6年前よりデジタル化が既存のDPE業界を消滅させるだろうと予測。その変化に対応すべく準備中であったが、予想以上の変化の早さであった。このため、矢つぎ早に手を打たざるを得なくなった。以下にここ2〜3年で実施した改革を紹介する。

<統合・集約化の推進>
@ ペーパー(印画紙)の仕入先の一本化と値引き交渉による仕入価格の値下げを実現
A 三つの店舗の現像部門を一箇所に統合
B 各店に分散していた事務業務を本店に一本化
C 営業マンの定期訪問ルートの見直しと集約化

<経費の見直しとコストダウン>
@ 役員・幹部の給与の20〜30%カット
A 退職金制度の見直し
B 安い駐車場との契約と店舗家賃の交渉による10%削減

<資金づくり>
@ 在庫の圧縮
A 売掛金回収管理の強化

<価格アップ>
@ DPE価格アップの推進

<デジタル分野への進出他>
@ デジタルスタジオの開設・オープン(子供写真館)
A デジタル現像処理機の導入
B デジタルアルバムの開発
C (出張撮影)撮って見てCARの導入(準備中)
これらの対策の結果、最近ようやく光が見えてきたものの、未だ未だ油断できない。全社員を引き締め中である。

幹部に訴える(160)
部下指導(66)
〔面接技法―コーチングの実践(23)〕

 コーチングは、いざ実践となると全く難しい。
例えば、当社主催の「幹部セミナー」で「ある面接事例」についてどう対応すべきかを考えさせたところ二つに分かれた。
@ 当方(幹部)が「悪うございました」と言って完全に相手の言いなりになってしまうケース
A ムリに説得しようとしてケンカ状態になってしまうケース
どちらのケースも何ら解決策を見出す事ができなかった。
性格的に弱い幹部の場合は、相手の言う事にいちいち「ごもっとも」「ごもっとも」を繰り返し@のパターンになる。

しかし一般的には幹部としてのメンツもあり、Aのパターンが圧倒的に多い。何とか説得しようとあせり、「あるべき論」が口をついて出てしまう。結局考え方や価値観の違いから口角泡を飛ばす口論となり、坂をころげ落ちるように相互に不信感を募らせ、ついには決裂状態に陥る。
意見や言い分を聞く時間を充分とり、相手の気持ちをなんとか理解しようと努めるが、あまりに一方的、自己中心的名考え方に直面すると「こんなことも理解できないのか!」という思いから、つい指導的態度をとってしまう。理解的態度をとることが如何に難しいかだ。

子供や新入社員の場合、コーチングをしながらも最終的にはティーチング(教え、導く)の形をとるのが良い。しかし、社会経験や業務経験の豊富な大人の場合は、コーチングのやり方によっては決裂してしまうか、逆に自らが答えを見つけて前進してくれるかである。ただ、そこまでいくには少々時間がかかる。例えばやむを得ずA部門からB部門へ配置転換をさせる場合、本人に説得しなければならない。本人の力量には全く関係なく、全社的な都合でどうしてもやらざるを得ない場合は骨が折れる。
「せっかく2年前に今の部門に配属され、ようやく仕事に慣れてきたところなのに、また異動ですか?」と詰め寄られると、気の弱い幹部は「そうだなあ」と逆に説得されてしまう。更に「今年の会社の方針は『業務に精通しプロ人材になろう!』ですよね。これに反してませんか?」と追い打ちをかけられるともう言うべき言葉もなく「ごもっともごもっとも」と頷いてしまう。そうはならじと強引にねじ伏せようとすれば失敗する。

急いで決着をつけようとせず、目的はあくまでも「配置転換について本人の理解を得ること」だと確認し、改めて話し合い(面接)の場を設けるなどの根気が必要である。
すると本人の口から「私もB部門の仕事には前々から興味はありましたが・・・」と言ってくる。ここまでもってくるのが大変なのだ。当方のイライラは極度に高まり、爆発寸前なのである。それでも忍の一字がガマンしている。
その結果、解決策を本人が自分の口でしゃべり出すようになる。これは最近あったD社の事例だが、一方的にならずに、コーチングの精神にのっとりじっくり話し合えば解決策の糸口は必ず見えてくる。

以上

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