(便利+価格)競争
当社のすぐ近くのビルの一角に、この25日、99円ショップがいよいよオープンする。周囲にはコンビニが4軒あるが、ここ数年で3軒が撤退し、2件が新規オープンしている。新陳代謝が大変激しいが、最近少し落ち着いてきた。そうした中での出店である。
便利さを売ることで発展してきたコンビニも、低価格ショップに押され、一部の商品価格を値下げさせざるを得ないところまで追い込まれているというが、ひょっとするとまた撤退組が出るかも知れぬ。過剰出店はお互いを疲弊させるだけだが、相変わらずである。消費者にとってはありがたいが、今後どうなるのか興味のあるところではある。
時代は「便利さ」だけでは通用しなくなっている……。
幹部に訴える(158)
部下指導(64)
〔面接技法―コーチングの実践(21)〕
上司のちょっとした言葉が、部下の心に火をつけることがある。それは「ガンバレ、ガンバレ」などという薄っぺらい励ましの言葉ではない。本人にハッと気づかせる新鮮で暖かい言葉である。
一ヶ月ほど前、X社が属する業界主催のボーリング大会が行われた。X社では、多くの社員がこれに参加し、他社の仲間と楽しいひと時を過ごした。1年前にパート社員として入社したA君もその一人。性格はもの静かで、どちらかというと人の後からついていくようなタイプである。これまでボーリングをほとんどやったことがない。スポーツ系は不得意な方である。
その大会で、彼のボールを投げたうしろ姿がおかしいと言って、投げるたびに(悪気はないにしても)周囲の者が笑ってしまった。「人に笑われた」「バカにされた」と感じた彼は、今後もしボーリング大会があっても決して参加するまいと心に誓った。
そしてつい先日、X社では年末の忘年会に久し振りに(A君にとっては皮肉にも)ボーリング大会を実施することになった。会社としては全員参加を希望していたが、案の定A君は不参加の意志表示をした。
A君の事情を察した上司は、このままにしておいてはまずいと考え、応接間で面談することにした。
前向きに仕事をバリバリこなすタイプではないにしても、言われた事はコツコツとこなすA君。入社1年が過ぎ、つい先日彼と話し合い、2年目更新を約束したばかりである。その時「前向きに行こうよネ」と話し合い、本人もやる気をみせていたのである。ここは是非参加して欲しい。
しかしA君は、1ヶ月前のことが気になっているようだ。
「会社としては、せっかくの機会だから参加して欲しいんだけどナア」という上司の言葉に「え〜、でも私はボーリングは苦手でして、どうも…」と口篭もってしまう。控え目な性格の上に「笑われた」ことが相当心の傷として残っているようだ。
このまま参加することの必要性を理詰めで説いても納得すまい。そう考えた上司は次のように発想の転換を促がしてみた。「A君はあの時人気者になったよネ。」上司の意外な言葉に、A君は驚いた。しかし確かにそうだ。あのときA君はみんなの注目を集めた。人気者になったのだ。「そうだよねー」念を押すように語りかけてくる上司。“人気者”という自分に対する思いもかけない評価。多分、生まれてこの方、人気者などになったことはない。自分にはそんな才能は無い―そう思い込んできたであろうA君。この上司の言葉は少なからず彼に心地よいショックを与えたようだ。
上司は更に言葉を続けた。「あの時A君のパフォーマンスは良かったよ」「あのパフォーマンスで目立っていこう」。“目立つ”これもまた新鮮な言葉だ。目立たないことを本分(?)としてきたA君にとっては、青天の霹靂である。
「君のチームが一丸となって盛り上げて欲しい」。なにやら心の中に火をつけられた思いだ。
A君は参加することを約束した。
以上
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