もったいない=MOTTAINAIの精神
2004年のノーベル平和賞の受賞者であり、ケニア共和国の環境副大臣でもあるワーガリー・マータイさんが、日本語の「もったいない」を世界に向けて発信中だ。
この言葉は地球環境を守る上で大切な三つのR(リデュース・リユース・リサイクル)をたった一言で言い表している素晴らしい言葉だと感動している。
「勿体無い」。勿体とは「その物にふさわしい、ちゃんとした様子のこと」。これが「無い」のだから「有用な存在が粗末(ムダ)に扱われているのが惜しい感じ」となる(国語辞典より)。モノが溢れている世界にはこの概念はない。
幸い(?)資源の少ない日本では、昔から使われていた言葉だ。小生が子供の頃、食事の後、茶碗に米粒を1つぶでも残していると「農家の人が汗水流してつくってくれたものを捨てるとは何事か」とよく祖父に叱られたものだ。何やらモグモグ言いながら、朝日に手を合わせていた祖父を横でポカンと眺めていた小生に「全てのものに感謝する気持ちの大切さ」を教えていたのかも知れない。
ソニーの創業者の一人である故盛田昭夫氏は30年以上も前に「もったいない」を世界語にしたいと考えていたようだ。
最近マータイさんの影響を受けてか“もったいない”に関する書物が数多く出版されるようになった。それらによると全国4万店のコンビニから、毎日平均13kgの賞味期限切れの生ゴミ(食品廃棄物)が出ているという。4万店×13kg/日=520トン/日!あ〜、モッタイナイ、モッタイナイ!!
幹部に訴える(155)
部下指導(61)
〔面接技法―コーチングの実践(18)〕
今月も実際の面接の場面を紹介しよう(この事例は、コーチングというよりカウンセリングに近い)。
昨年7月にあるメーカーのパートとして入社したA子さん(50歳)。製造現場で機械操作を担当している。性格は明るく、入社当初は活き活きと働いていたのだが、ここ数日どうも元気がない。何か悩みごとがありそうだ。A子さんの直属の上司はまだ26歳と若く、最近責任者になったばかり。毎日自分の作業に忙しく、部下の気持ちをつかむ余裕はなさそうだ。
A子さんの変化を感じ取った工場長はある日の朝、工場に入り彼女と個人面接をすることにした。
工 場 長「もう入社して1年になるけど、仕事の方はどうですか?」
A子さん「何とかやってます」
工 場 長「悩みごとなどない?他のメンバーとうまくやっていますか?」
A子さん「えー、とくにありません」
そう言っているA子さんの顔はさえない。が、これ以上突っ込んで聞くこともできない。
結局−。
(工 場
長)「そうですか。それじゃあ毎日大変だろうけど頑張って下さい。また何かあったら相談してください。いつでも相談に乗りますから…」
(A子さん)「ハイ、そうします」
―で終る。
これが普通だろう。何とも釈然としないが、A子さんが「とくに、ありません」と答える以上、ここで会話はストップする。しかしこれでは全く双方向コミュニケーションは成り立っていない。工場長の面接技術としては失格である。A子さんの本当の気持ちを知るにはもう一歩突っ込んだ対応(質問の技術)が必要である。一般に、「抽象的な質問には抽象的な返事しか返ってこないが、具体的質問には具体的返事が返ってくる」。
そこでA子さんの「えー、とくにありません」と言われ、行き詰まりを感じた工場長は質問の仕方を変えた。
周りを見ると、たまたま稼動していない機械が目にとまった。その機械を指差しながら「あの機械はA子さんの担当ですか?」と聞いてみた。そのあとの二人のやりとりは以下の通りである。
A子さん「いいえ、あれはB子さんが担当します」
工 場 長「A子さんの担当ではなかったのですか?」
A子さん「ハイ・・・。私が担当しても時間がかかるんです」
工 場 長「あなたが担当すると時間がかかるんですか?」
A子さん「ハイ。あの機械は切り替えの多い機械で、短い切り替え時間内に次の段取り・準備をしなければなりません。慌てるためか作業手順の中の何かが抜けたりするので、みんなに迷惑をかけるんです。」
工 場 長「ハァ…。みんなに迷惑をかけていると…」
A子さん「えー。みんなの足手まといになっているんじゃあないかと思うんです。」
A子さんの話によるとこうである。
つい先日、その機械を担当し切り替え作業を行っていたところ、ベテラン女性社員より「次にやる仕事はこれでしょ!何でそんなことするの!ひとつ抜けているでしょ!!」と強く言われた。その後も時々注意を受けていた。
このためA子さんは
@
自分は仕事がうまく出来ない。他人から遅いと思われているのではないか
A
自分は他のメンバーの足手まといとなっているのではないか。迷惑をかけているのではないか
―とすっかり自信を無くしていたのである。「何もない」どころかここ数日間というものはこのことで頭が一杯になり相当悩んでいたようだ。
しかし、よく聞いてみるとA子さんが例の機械を担当したのは極く最近だ。その際、ロクに指導を受けていないことも分った。むしろこちらの方が問題である。
事情をつかめた工場長はA子さんに次のように話した。
「他のメンバーからみれば当り前の作業も、A子さんにとっては担当したばかりで難しかったんでしょうね。急に出来るわけはないですね」
「A子さんはいつも明るく仕事をしてくれて、お互いの連携もきちんとやってくれているので助かっているんですよ」
A子さんとの面接のあと、工場長は彼女の直属の上司に事情を説明し、きちんと指導するように指示。その日は終った。翌日、A子さんが工場長のところへきて次のように言った。
「お話を聞いていただいてほっとしました。」「これからも頑張ります」「もし聞いてくれていなかったら、実は辞めようかと思っていました」
A子さんはいつもの笑顔に戻っていた。
以上
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