―再び増加し始めたー
家計金融資産1,416兆円!
2004年度末の家計の金融資産は1,416兆円強。前年度比+0.4%の増である。実はバブルがはじけたあとも、この金融資産は2000年頃まで一貫して増えつづけている。その後もITバブル崩壊に伴う株価下落などから一時目減りはしたものの、再び上昇に転じており、過去2番目の水準に戻っている(図参照)。

最近の傾向としては、預金比率が若干下がり、リスク資産(株式、投資信託、外資預金、対外証券投資)が増えつつある。とは言うものの、預金残高は728兆円(全体の51%強)もある点に注目したい。
90年度末の預金が、460兆円程度だったことを考えると、14年間で260兆円も貯め込んだ計算になる。
このカネが今後、モノやサービスの消費に向かうのか、リスク資産に向かうのか、あるいは預金にはりついたままなのか、その行方は、金融、証券、サービス・販売業の各々がどれだけ魅力ある企画を打ち出せるかにかかっている。個人的ながら、とくに中小販売業に頑張ってもらいたいと考えるが、この業界は一部専門店のヤマダやダイソーの急成長の一方で、4人規模以下の中小企業の撤退も多く、完全に二極分化している。事業所数そのものも減少に歯止めがかからず、124万弱(03年度)と過去最低である。
「何くそ負けてたまるか!」の思いの強さがトップにも幹部、社員にも必要ではないか。今、カネは余っている。要は売り方の工夫である。
幹部に訴える(153)
部下指導(59)
〔面接技法―コーチングの実践(16)〕
宮城県のS社(メーカー)では、5〜6月にかけて業務は多忙を極めていた。この不況時に大量の受注が舞い込んでくるとはありがたいことである。おかげで職場は活気に満ち満ちていた。
製造最終工程担当のT課長には、3人の部下がいるが、彼らも日夜奮闘を続けていた。が、ある時を境に部下の一人であるK君の態度が変化し始めた。
K君は、入社3年目の頑張り屋。もの覚えもよく、いまや重要な戦力である。T課長も彼の将来に期待している。しかしどうしたわけか最近、課長に対する態度が何となく変なのだ。名前を読んでも生半可な返事しか返ってこない。顔付きも陰気である。やる気が失われているように見える。投げやり的な態度を時々みせる。どうも釈然としない。
確かに連日の残業・残業で体力の限界にきているのかも知れない。それは課長も同じだ。仕事の段取り・材料の手配や外注先との打ち合わせ・部下がこなせない特殊品製造業務・トップからの特命業務・作業の進捗状況のチェックと納期管理、それに部下3人の指導などで多忙である。
しかしK君から見れば、直接業務にタッチすることの少ない課長は、それほど切羽詰っているようには見えない。楽をしているように見えたのだろう。
「オレは毎日毎日遅くまで残業して、今日も5件の物件をこなしてもうクタクタだよ。」「課長は、1件でもいいから俺の仕事を手伝ってくれてもいいではないか。」そんな不満を他のメンバーに漏らし始めた。
課長の仕事の内容がみえていないK君にしてみれば、当然の不満なのかも知れない。その不満が不信となり、態度や行動に出始めたのである。
課長はK君のそのような心の不満に全く気づいていなかった。課長も部下がよく見えていなかったのである。
仕事が一段落した6月初旬のある日、経営会議用の報告書作成のための各人の日報を整理しながら小ミーティングを開いた。その時T課長の口から「K君、今月は大変だったなァ」という言葉が自然に出た。意識していたわけでも何でもない、極く自然に出たのである。しかしこの何気ない一言が、K君の頑な心を一瞬にして氷解させた。
「自分の大変さを課長はわかってくれていたんだ。認めてくれたのだ。」そう思うとK君の心のわだかまりはスーっときえていった。そして今までのことがウソのように再び頑張り出した。K君がある時を堺に急変したのは「オレの今の気持ちをわかってくれ!」と訴えていたのだ。課長はそのことに気づかなかった自分を恥じ、部下の気持ちになって言葉を投げかけるコミュニケーションの重要性を改めて痛感したのである。
以上
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