No.204
2005.4.25
 

【責任の所在】

「CEO」「COO」「CFO」……これ何だか分かりますか?
「UFO」ではありませんぞ。所謂大企業トップ陣の肩書き。一体、各々の肩書きが何を指すのかすぐ分かるだろうか。何でも米国流を真似したがる日本人だが、困ったもんだと思っていたところ、何とあの三菱自動車が4月1日からこの呼称を廃止した。理由は「なじみの薄い米国流の呼称で、かえって責任の所在があいまいになっていた」「責任を追求しない従来の企業風土の刷新を目指したい」という。今更という感も無くはないが、一歩前進だろう。
日本の官庁や大企業の最大の問題は責任感の薄さにあることは昔から指摘されている。ナアナア主義なのだ。最近企業側の不祥事による事故が続出しているが、根は同じである。

しかし一方で責任の所在を明確にしようとする動きも現場段階では活発だ。スーパーの野菜売場ではかなり前から生産者の氏名が写真入りで紹介されている。生産者にとっては厳しい反面、張り合いがあるというものだ。
先日、ある企業で会議が夜遅くまで長引いた為、宅配専門の寿司屋から“にぎり”を取り寄せたところ、「本日の握り担当○○○○」という名刺が入っていた。いやはや脱帽である。やるところはやるもんだ。

ところで冒頭の三つの呼称の意味はCEO=最高経営責任者、COO=最高執行責任者、CFO=最高財務責任者、である。

幹部に訴える(151)
部下指導(57)
〔面接技法―コーチングの実践(14)〕

 今、コミュニケーションの時代だと言われる。確かに親と子、教師と生徒、先輩と新人、上司と部下の間のコミュニケーション断絶症状が問題となっている。お互いが嘆く。「自分のことを分かってくれない」と。しかしこの本質は全て「受身」になっていることに気づく。「誰々が〜をしてくれない」である。自らが積極的に「分かろう」「相手を理解しよう」とする姿勢の欠如だ。経済的に豊かになり、食うに困らぬ時代の一つの特徴なのかも知れない。

幹部は幹部で言い分があり、部下は部下で言い分がある。お互いが「部下は(上司は)自分のことを分かってくれない」と嘆いたところで、相手を批難するだけで何ら解決はしない。まず部門長が積極的にかかわっていくことが解決の道だ。しかし、以下の二つの点には注意しよう。
一つは、トップあるいは部門長からみてどうしようもない部下もいるということ。考え方の根本が腐っているか、毒されているかである。組織を維持する上において許されざる人物である。コーチング以前の問題だ。この場合は即排除する。さもないとあとで手痛い目に合うことは必定(これは部下の問題)。
もう一つは部門長自身の問題だ。企業はトップの器以上には大きくならないと言うが、部門長も同様である。部門長としての器があるか。器のない者に人はついて来ない。コーチングをやろうとしても部下から無視されるのがオチだ。しかし多分に持って生まれた遺伝的要素の強い「器」が大事だと今更言われても困ってしまうだろう。全ての人間が大きな器を持っているわけではない。小さい器、中位の器、超特大の器。人それぞれである。

「器」とは何か。広辞苑によれば「事を担当するに足る才能、器量、また人物の大きさ」とある。これではどうもピンとこない。そこでエイヤッと小生なりに定義してみる。部門長の器とは、「自部門をどのような部門にしたいのか―という部門の方向性や使命、ビジョンの思いの強さを言う」。それも上からの押し付けではなく、心の底から湧き出た本人自身のものでなければならない。この思いがあるかどうかである(もちろんトップ方針を受けたものであることが前提)。

「部門経営者として、あなたのビジョン、使命は何ですか?」と問われて、果たして何人の部門長が明確に答えられるだろうか。
小生の経験では、有効回答ほとんどゼロである。この思いがなくしてビジネスコーチングも何もない。ご存知の通り、組織は明確な方向性やビジョンがあるからこそ一つにまとまる。そのビジョンに非協力的な(理解しようとしない)者は前述の通り去ってもらった方が良い。その程度の強さは部門長には必要だ。しかし怖いのはただ何となくその日暮しの部門経営を続けている幹部自身だ。真面目に仕事をするだけでは十分ではない。あなたの強い思いが必要だ

ではどんなビジョンや使命(哲学と言っても良い)を持てば良いだろう。参考までにある中小製造業の各部門長の「思い」を紹介してみよう。
〔営業一課長〕5年後営業一課の売上を5億円にする!
〔営業二課長〕 得意先での売場づくりを全て任される部門にする!
〔営業事務主任〕全てのお客さ様から信頼され喜ばれる営業
事務になる!
〔原 料 課 長〕 高品質材料を安定供給できる部門にする!
〔製 造 課 長〕クレームゼロを目指し、心のこもった製品づくりをする!
〔生産管理課長〕ロスゼロを目指す管理体制を確立する!
〔包装・出荷主任〕我社の製品の最終砦となる!

強い「思い」から三意識(目的意識・問題意識・価値意識)が生まれ、部門長としての器が育ち、磨かれていく。

あなたには部門長としての哲学がありますか?

以上

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