【春一番】
立春から春分の日までに吹く8m/sec以上の強風を「春一番」というそうだが、そのロマンチックなイメージとは程遠い、強烈な「春一番」が今、吹きまくっている。
まず、本物?の春一番が2/23、全国で荒れ狂ったが、それに呼応するかの如く杉花粉が、中国からは招かざる客黄砂が日本全土を覆った。
しかし我々をあっと驚かせた「春一番」は何と言ってもライブドアとフジTVによるニッポン放送の買収戦だろう。米国流のドライな戦略で仕掛けるライブドア。片やウエット型のフジTVや日本放送の経営陣はやや押され気味。
ライブドアが日本放送の40.5%の株を取得したと発表すれば、その対応策として日本放送は新株予約権発行を決議。それに対し、ライブドアはニッポン放送の新株予約発行差し止めを求める仮処分を申請。更にフジ社長など取締役個人に対する賠償責任も追及するという。各々に強力な弁護士がバックについており、儲かるのは弁護士だけである。
いよいよ日本も米国型の「資本の論理の横行」と「訴訟社会」がやってくる。心情的には愉快な話ではない。
幹部に訴える(149)
部下指導(55)
〔面接技法―コーチングの実践(12)〕
先日、ある小売業の幹部(A部長)からこんな相談を受けた。
会社では毎年2月に全社員参加による大きな販売キャンペーンを実施している。このキャンペーンはある特定の商品を短期間(1〜2週間)で販売するものであるが、その成果如何は今期の業績に大きく影響する。そのためトップをはじめ、幹部・社員が総がかりで取り組むことになっている。社員一人一人は販売目標を上司とすり合わせて申告・決定し、目標達成に向かって顧客への売込みを図る。売ることが本分の小売業ではよくあることだ。
ところが、最近入社してきた社員には、ここのところが中々理解できないらしい。採用面接時には、充分説明をしてある筈だが、いざ「キャンペーン」となると「ナゼわざわざそんなことをするのか」「どうしても目標を申告して売らなければならないのか」…と非協力的な姿勢になる。
そこでA部長は、キャンペーンが会社にとって如何に重要であるか、今日まで10数年にわたって行ってきた実績とその成果、更にはこの会社で働き、給与を得て生活している我々社員としての考え方などを口を酸っぱくして説明したのだが、中々納得してくれない。
「どうしたら彼等は分かってくれるでしょうか?」という相談である。
A部長の悩みは、多くの組織の部門長が抱えている共通の問題だろう。責任者として彼のとった行動は当然のことである。「こちらの考え方を分かってくれない部下が悪い」「何で協力的になってくれないのか」―とイライラするばかりである。しかし落ち着いて静かに考えてみれば分かる。A部長も若い頃は今の彼らと大して変らなかった筈である。
親は自分もかつては子供だったことを忘れ、幹部も、もとは新入社員だったことを忘れている。そして、親としての、幹部としての責任感ばかりが先走りして(責任感があることは悪いことではないが)、部下の気持ちを掴んでいない。あるべき論爆弾を空からガンガン落としているようなもので、部下は防空頭巾(古い言葉だ)をかぶって逃げ惑っている。時には爆弾も必要だが、時と場合による。
会社の考え方や方針の説明には彼らの理解と協力が絶対必要だが、これには我々日本人の不得意とするコミュニケーション技術が必要だ。
そう考えると、A部長のやり方は好ましくない。
本人も限界を感じている。このままでは良くないと分かっている。しかし、ついガンガンとやってしまう。
「幹部がよくおかす間違いをA部長もやってしまいましたネ」「それで新人の人達は理解してくれそうですか?」
「いや、全く・・・」
「今回の件で、どんな点が反省事項として挙げられますか?」
「ちょっと・・・やはり一方的だったように思います」
「一方的だった?」
「えー、ちょっとあせっていました」
「あー、焦ってたんですネ」
「えー、キャンペーンも間近ですし、ついイライラしてしまいまして…」
「イライラしていた…」
「ええ、イライラしていましたネ。しかし焦るのはよくないですネ」
「ところで、『聴く』という姿勢で新人とコミュニケーションをしてみたらどうですか?」
「あっ、そこを全く忘れていました。彼らの内発的なヤル気を引き出すことですネ」
「そうです、そうです。@聴く、Aあいづちを打つ、B質問しながら健全な意見を引きだす、Cあせらない、ということでどうでしょう」
「分かりました、すぐやってみます」
賢明なA部長はすぐ理解したようである。
以 上
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