今月の言葉

NO.174

2002.10.25

[ノーベル賞・ダブル受賞]

今月の最大のニュースは何と言っても元東大名誉教授の小柴氏(76才)と島津製作所の主任・田中氏(43才)によるノーベル賞・ダブル受賞だろう。二人の研究者の間には親子ほどの年令差があるが性格もかなり違うようだ。小柴元教授は豪放磊落。そして受賞を待ちに待った(待ちくたびれた?)一人。田中氏は規則から外れるのを嫌うコツコツ真面目タイプ。受賞はまさに青天の霹靂だったという。

逆に二人に共通するのは一つのことをとことん追求するねばり強さだ。
田中氏の作業服姿での記者会見は我々にある種の新鮮な感動を与えたが島津製作所の株価は僅か6日間で5割近くも上昇した。
それにしても二人の快挙は15─20年前の1980年代に成し遂げられたこと。ノーベル賞をいただくには時間(年数)がかかるものなんですネ(我々にはあまり関係ないことかも知れないが)。

― 幹部に訴える(125)─
―部下指導(31)─
[面接技法]

最近、部門長と部下との関係が希薄になりつつあるように思える。とくに1対1のコミュニケーションのとり方が下手な(あるいは分からない)部門長が多い。
部下の失態や、相談に対して、見て見ぬ振りをするか、無視する無関心型幹部がいるかと思えば、どなりつけたり、それは会社の方針だ!と押しつけたりする独裁型幹部もいる。あるいは上司として何か言わねばという思いからか「あるべき論」をひとくさりしゃべり納得させようとするオヤジ型幹部もいる。

 部下からみれば、これでは何か相談したくてもついつい腰が引けてしまう。結局、誰に相談することもなく1人で悩み続け、ある日突然結論を持ってくる。ここで初めて1対1の長と部下とのコミュニケーションが始まるといった具合だ。最悪の場合は、長を飛び越してトップに直接結論を持ってくる場合もある。あとの祭りだ。

もうおわかりのように、ここで言う「コミュニケーション」とは一杯飲みながらみんなが楽しく集う懇親会ではなく、1対1の「面接技法」のことである。数年前に簡単に紹介したことがあるが今回から数回にわたって少し詳しく紹介してみよう。
 面接技法──ひとことで言ってしまえばそれは『聞く技法』である。話すプロはいるが聞くプロというのはいない。社員の考え方も行動も多様化した今日、幹部は聞くプロを目指す―まではいかなくともその基本は身につけておいた方がよい。

最近は企業にも学校にも心理学を専門としたカウンセラーが配置されるようになった。彼等は社員や生徒の悩みの相談を担当しているが、幹部として一人でも部下を持った以上はカウンセラー 的資質が必要である。

当社で毎年実施している「中堅幹部マネジメントスクール」で「部下指導のための面接技法と活用の仕方」をかなりの時間を割いて取り入れているのもこうした理由からである。スクール修了生は現場で活用されていることと思う。

「聞く技法」の分野で最も進んでいるのは看護婦(士)の世界だと思う。弱い立場にある患者と看護士。この二者間のコミュニケーション(面接)は医者の施す高度な技術や薬よりずっと効果は大である。我々は看護士の世界からもっともっと学ぶべきだと思う。そこには人間の本質に根ざした人と人との関わり方が凝縮されている。次回以降このテーマを研究してみよう。

以上


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