今月の言葉
2002.8.25
NO.172
〔企業不祥事とその対応〕
またもや大手食品メーカーによる食肉偽装事件。その日、TV画面には、日本ハム製品が陳列棚から次々と撤去されていく様が写し出された。品質問題というより日本ハムという企業の道義的責任あるいは経営姿勢が問われた事件である。
一説によると、少し前のBSE事件での日本ハムの対応は同業者のどこよりも素早く、万全の安全管理体制を整えていたとは言うが、売上高一兆円に迫る大企業の今回の不祥事。そのぬし主は子会社だが実質上は本体の一部門である。長年培ってきた日ハムの信用は一遍にふき飛んだ。
一方、ITバブルが崩壊した米国では情報関連企業を中心とする企業会計の不正が次々と露呈。企業への不信から株価は大幅に下げた。7月にはブッシュ大統領のキモ入りで「企業改革法」が成立。決算書にトップと財務担当者の署名が必要となった。もし不正が発見されれば処分の対象となる。
前者は消費者を裏切り、後者は投資家を裏切る形となった。それにしても米国の対応は素早かった。
−幹部に訴える(123)−
− 部下指導(29)−
〔誠実さは企業の価値を高める〕
「誠実」―という言葉がある。「ウソをつかない」「言ったことは果たす」「約束は守る」という意味である。社訓や社是・綱領に取り入れている企業も多い。今回の事件であらためてこの言葉の重みに気づかされた。そして「誠意ある応対」「誠実な行動」に徹することのむつかしさを痛感している。
ところで先日の日経新聞によると「社会責任投資」なるファンドがあるらしい。一口で言えば誠実な経営を行っている企業への投資である。
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企業トップが高い倫理観を持っているか Aリスク管理や組織の内部統制はしっかりしているか
Bその改善努力を続けているか C社内コミュニケーションが円滑で情報開示に前向きか などを一定の基準で採点し銘柄を選ぶ仕組みらしい。関係者によると、まっとうな会社の発展を応援し、かつ投資家の資産形成にも役立てようとするものだそうだ。こうしてみると、今日は、誠実さが企業価値を高める時代であるとも言える。
さて「誠実さ」が大切であることは分かったが部下指導面でこれをどう活かすか。まさか「社会責任投資」を部下にすすめるわけにはいくまい。教えることは二つ。
一つは、「約束ごとは(命をかけてでも)守ること」「約束したことがやむを得ぬ理由で守れそうもないときはいち早くその旨を伝えること」「守れない約束はしないこと」
二つは、顧客に対して社員一人一人が感謝の心を持ち、深々とアタマを下げる気持ちで業務に当たること。そしてこれを続けること。
出張時いつも感動することがある。JR東京駅プラットホームでの車内清掃員の行動だ。彼等の仕事は社内清掃という単純なものだが高齢者であるにもかかわらず、限られた時間の中でのテキパキとした仕事振りには感心させられる。しかしそれよりも感動的なのはプラットホームに入線してくる新幹線を迎え入れるときの彼等の行動だ。ホームに一列に並び深々とお辞儀をして自己の職場(列車)を迎え入れる姿は、世界にその例をみないだろう。
トップ・幹部・社員が本当にこういう気持ちで仕事にたちむかえば不祥事はおこるまい。部下指導もさることながら指導する側からエリを正したい。
(追)夏の甲子園は高知の明徳義塾が優勝したが、ベスト8に食いこんだ遊学館のパソコンによる
選手指導法が目を引いた。新しい人材育成システムの登場である。
以上
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