今月の言葉

2002.7.25

NO.171

[リーダーシップの発揮どき]

この7月、米国ではエンロンに続いて通信大手のワールドコムが破綻した。
負債総額4兆8000億円。米国史上最大の倒産である。おかげ?でダウ平均は7,784ドルまで落ち込み、日経平均株価も一時1万円を割り込んだ。
世界経済は何やら不気味な様相である。日本でも教育の世界では「ゆとり」がもてはやされているが、経済界はますます「ゆとり」がなくなりつつある。とくに中小企業はまったなしの現況である。トップ・幹部の強烈なリーダーシップに期待したい。
 さて、今月の「幹部に訴える」は製造業B社のTopの声を紹介しよう。
売上は好調だが、常態化した残業で現場は混乱している。以下は、現場巡回した社長が20名の幹部に向けて訴えたものである。
                          

幹部に訴える(122)
―部下指導(28)―
〔部下に対する思いやりをもて〕

『先日の土曜日、夜遅くまで残業が続いた。8時頃、残業をしていた女子社員に「何時頃までかかるの?」と声をかけると「分らない」という。一部の人は生産計画表をみて終了時刻は大体分るらしいが他の人は分らないらしい。彼女達もウチへ帰れば家庭の奥さんだ。TWIにもあるように「当人に影響のある変更はきちんと前もって知らせる」べきである。「変更」があるならワケを行って納得してもらうことだ。夜遅くまでかかることが見込まれるなら、「コンビニへ行ってオニギリでも準備するか」など職場に残業し易い環境を設定してやるのが上司の役割だろう。前日から分っているのなら晩メシを持ってくるよう言っておく。あるいは弁当を準備してやる。そういう心配りが必要ではないか。』


『その日、私は自宅へ帰って暗い気持ちになった。工場閉鎖、時短、週休三日と言われるほどの厳しいときに残業はありがたいハナシである。しかし素直によろこべない。
 結局一人一人の社員にかなり負担を強いていると思う。上司と一般社員は違う。上司は使命感を持っているから(覚悟が出来ているから)いいが一般社員にとって、何時に終るのか分らない作業というのは不安である。上司から「やらねばダメだ!」と言われればイヤでも社員はやらざるを得ない。』


 『土曜日の様子では「部下をコキ使っている」感じだ。私は喜んで働いてもらいたいと思っている。残業を終えた後も「今日はよく頑張ったな」とか「やったぜ」とか言えるような満足感を味わえるような形だ。
 ただ疲れが残って、明日への不安が残るだけになっていないか。幹部は情報を持っており先が読めるから不安を感じないだろう。しかし部下は不安だ。だからこそ充分説明して不安を取り除くことだ。』


 『部下に対する配慮が行き届いてない。いばるのが上司の仕事ではない。
部下が仕事をやりやすくなるよう環境を整えてやり、準備、段取してあげるのが上司だ。

 社員に対する私の考えが一面的にしか幹部の皆さんに伝わっていないなと思った。どうせ一生この会社で働くのなら同じよろこびを共有しながら仕事をやっていきたいと思う。
 朝までやりぬくという意気込みは大変素晴らしいことだが、一方的に押しつけるやり方はダメだ。
 皆さんの耳を私(社長)にむけるよりどうか部下の方へ傾けて欲しい。』

以上

株式会社ニュークリエイトマネジメント
代表取締役 亀岡 睿一
(中小企業診断士)


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