今月の言葉

2002.1.25

NO.165

[諸 行 無 常]



ヨーロッパでは、2002年1月付1日付でユーローの流通が始まった。画期的なことである。しばらくはゴタゴタが続きそうだが、絶対に失敗は許されない壮大な実験でもある。
一方日本の国内はデフレ不況のまま新年を迎えた。正月の初売りはスーパーを除いてまずまずだった様だが「この三が日に売上を伸ばしたといっても需要を先食いしただけ」との悲観的な見方もある。

こうした中で1月9日、皮肉な現象が起こった。              
デフレ時代の勝ち組みの代表格と言われているユニクロ(ファーストリテイリング)の株価が急落、ストップ安(10550円)となった。その同じ日、再建計画中のダイエー株がストップ高(105円)をつけた。前者は今期の「業績下方修正」を発表したことによるもの。後者は主力銀行による債権放棄などの支援策の検討が伝えられたことによるものである(その後、債権放棄ではなく債権を株式化する方向で決まりつつある)。           
まさに諸行無常―――――。

― 幹部に訴える(116)―
―部下指導(22)―

TWIの「人の扱い方」の冒頭には「監督者は部下を通じて成果をあげる」とある。監督者という言葉が古くてなじめないと言うなら、これを管理者、幹部、或いはチームリーダーと言い換えれば立派に今日でも通用する。また最近は[部下]という言葉も使わなくなりつつある。パーソン、メンバー、スタッフとさまざまだ。そこで現代風に冒頭の言葉をアレンジすれば・・・・・・・・・・・・・・・・・・     「幹部はメンバーを通じて成果をあげる」となる。
ごく当たり前のことではあるがこれがなかなか難しい。どうしても自分ひとりで走ってしまう。最近は人事評価制度が「成果主義」に変わりつつあり、メンバーの面倒見より幹部自身の成果を優先しがちである。その背景には、自らが実績をあげずしてメンバーを強く指導できないという側面もある。

日本を代表するトヨタ自動車は今年の1月1日付けで課長の業務を大幅に変更すると言う。会社の業績そのものは順調だが、人事評価が成果主義に偏ると部下を育てるよりも自分の仕事を優先する傾向が出る。長期的に考えればこれは大変怖い。そこで今後は部下の育成力を強く求めることにし、人事評価の中にそのウエイトを大きく取り入れる。 
結局トヨタには[企業の力は組織と個人の力がうまくかみ合って強まる」という考え方が根底にある。エーッあのトヨタが何で今更?・・・の感もあるが試行錯誤の結果、再び原点(経営の原理原則)に戻ったといえる。 

 ソニーも社員の潜在力を引き出そうと、次代の経営幹部を育てる「ソニー大学」
を社内に作った。「いまは待っていれば自然とリーダーが育つような生やさしい時代ではない」という危機感がある。
 このように日本経済を牽引する優良企業でさえ幹部育成に力を入れ始めた。企業が成長を続けるには、時代を担う人材をどれだけ育てたかにある。中小商店を見るが良い。倒産或いは廃業していくその多くは後継者がいない(厳しく言えば、育てなかった)からである。                       
部門長としての大きな仕事の一つは自分の代わりの出来る人材をいち早く育てることにある。そのために部下と話し合いを進めながらこの一年間の目標設定をしてみよう。まずそれがスタートだ。 


  2002年の皆様のご活躍に期待します           以上                                                                                      


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