今月の言葉

2001.10.25

NO.162

不気味な世相になってきた。炭疽菌、狂牛病・・・。
白い粉を見れば炭疽菌、牛肉を見れば狂牛病。そんなイメージが頭にこびりつき消費不況に追い打ちをかける。
一方、一時一万円を割った日本の株価はここしばらく1万円前後を上下しているが建設関連株は極端に悪い。10月22日現在の東証一部上場の建設会社114社のうち株価が50円以下のいわゆる死に体企業は何と10社もある。まさに異常中の異常である。いっこうに回復の動きが見えない。公共事業削減の影響が大きいようだが大規模企業だけに、にっちもさっちもいかないようだ。
その点、中小企業は小回りがきく。苦しい中でも今がチャンス。一刻も早く、
売り方革命、仕入(購買)革命、生産革命、に着手しよう。


−幹部に訴える(113)−
− 部下指導(21)−

人間は感情で動く。決して理性では動かない−動いたとすればそれは上辺だけのものである。実は部下指導の難しさはここにある。

今年の夏の暑い日、製造現場で作業員たちが汗水流して働いていた。ベテランのA責任者はたまたま出張中である。しかし次から次へと飛び込んでくる受注に現場は混乱状態になっていた。
そこへ出張先からAが帰ってきた。そして現場に入るなり「何だこのザマは!!」「まだこの程度しか出来てネーのか!」と怒鳴り散らした。
今回だけではない。Aはいつもこの調子である。暑さのせいもあってとうとう現場はキレた。「こんなのやってられねえや」「さっさと帰ろうぜ」。作業員たちはまだ午後3時だというのに集団で引き上げてしまった。一種のストライキ状態である。作業は全面ストップとなり更に大混乱となった。

 これは一昔前の話ではない。2001年8月の現実である。引き上げた作業員曰く「勿論自分達の段取りの悪さ、仕事の流し方のまずさはある。しかし自分達は責任者不在の中でそれでも必死に頑張っていたのだ。それなのに出張から帰ってくるなり頭から怒鳴りつけられたのではたまったものではない。もし『忙しそうだな。今どこまで進んでる?何か手伝うことはないか?』と一声かけてくれていたらこんな事はなかった」「俺達の気分の問題だからなア−

 仕事は気分でするものではない位のことは常識ある人間なら分かっている。しかし現場の生の声は「
気分の問題だ」である。ここに部下指導(対応)のヒミツが隠されてはいないだろうか?何も部下に阿(おもね)よと言っているのではない。時には叱りつけることも必要だろう。
 しかし現場がうまくいっていないのは上司に責任がある。部下を押さえつけてはいけない筈である。ところがAは自分が感情の動物になりきってしまい、その感情を部下にぶつけてしまった。
部下の感情は全く無視である。これは逆ではないか?
部下の力を通して成果を上げる立場にある責任者としては全くまずかったと言えよう。
 現場で吐いた「何だこのザマは!」は幹部が自分自身に向けた反省の言葉でなければならない。

以上


HOME BACK